戒名とは?行年、享年の違いについて解説
2024/03/16
お墓や法事でよく耳にする戒名という言葉、また行年と享年にも関連があるとされますが、具体的にどういった意味を持つのでしょうか。今回は、お墓業界における基礎知識として、戒名とは何か、そして行年と享年の違いについて解説します。
目次
戒名とは?
戒名は、仏教の信仰上である生死観念の基盤に依拠して作られる仏教徒の名前のことです。お墓の業界においては、戒名はお墓に刻まれる文字の一つとして大切な意味を持ちます。戒名は仏教の教義に従って、人間の存在が自分一人で全てをコントロールできるものではなく、万物相互依存の理に基づいて存在しているという考え方に基づいています。このため、お墓に刻まれる戒名は、故人が亡くなった際にその人の功徳を称えるとともに、故人の永遠の安らぎと穏やかな眠りを願うために作られます。戒名は、死者の遺志、遺族の希望や宗派によって異なるため、お墓を作る際にはよく検討する必要があります。お墓に刻まれる戒名は、故人の精神が安らかに休まることを念じ、大切に選び抜くことが求められます。
行年と享年とは?
お墓には様々な言葉や記号が刻まれていますが、その中に行年と享年という表記があります。これらは故人の生年月日と亡くなった年を表すものであり、年次はそのまま表記されることが多いです。 行年とは、故人が亡くなった年のことを指し、生前に過ごした時間を表現しています。一方享年とは、享の字が示すように、故人が享年した年のことを指します。故人が亡くなるまでの人生や、遺した人々への想いが込められた表記とされています。 このようにお墓に記される行年と享年は、故人を偲ぶ遺族や来訪者にとって、故人の人生を知るための重要な情報となります。また、この表記は故人の存在感を残し、敬意や追悼の気持ちを表すためにも、大事な意味を持っています。 お墓には弔意を表す言葉やデザインがたくさん刻まれていますが、行年と享年はその中でもとても重要な表記のひとつです。故人の人生を偲ぶための情報として、大切にされることでしょう。
戒名の由来
お墓で用いられる戒名は、故人に対する最大限の敬意を表するものです。戒名は、仏教の教えに基づいて作成され、その由来には深い意味があります。例えば、○○寺(斎片)という戒名は、修験者が行う釈迦如来の法要で、七日七夜の荒行をして、法要が終わった後にもうけられる斎片のことからきています。また、○○寺(延命院)という戒名は、死者の霊が守ってくれる(=延命)という意味が込められています。このように、戒名には立派な意味があるため、お墓を建立する際には、戒名を選ぶことも大切です。
戒名の種類
お墓には、ご先祖様に対して思いを馳せる様々な瞬間があります。その中でも、大切なお寺で受け取る戒名は、ご先祖様に特別な意味を持たせるものとなります。戒名には、お寺によって種類があります。代表的なものとして、追贈戒名・法名・諱名・戒名・院号があります。追贈戒名は、生前に戒名を受けていなかった方に贈るものであり、法名は、往生した方に贈られます。諱名は、生前の名前をそのまま戒名として残すことができます。戒名は、細かい決まりに基づいた名称を順序をもって付与され、心を込めて選びます。院号は、お寺や僧侶が名乗る名称であり、戒名の前につけることができます。お墓参りをするときには、戒名を唱えることでご先祖様の冥福を祈ることができます。お寺によっては、戒名の意味を丁寧に教えてくれますので、ぜひ参拝の際には伺ってみてください。
戒名の役割
戒名は、故人を供養するために重要な役割を担っています。お墓を訪れる人々や、供養する人々が、故人の戒名を見て、その人の尊号を表すものとして、敬意を表したり、思いを馳せたりします。 また、戒名には故人の為に願いを込めたことが含まれています。家族や親族、友人たちが故人のために、お経やお祈りを捧げ、その人の冥福を祈ります。その際に重要なのが、その方の戒名であり、戒名には、人々が思いを込めて選んだ漢字が使われることが多いです。 戒名を選ぶ際には、故人の人生や、その方の人柄、信仰、所属する宗派などを考慮して、適切な戒名を選ぶことが大切です。また、戒名は代々継承されることもあるため、将来の供養や、家族の繋がりを意識して選ぶことも重要です。 戒名は、故人を供養するだけでなく、遺族や家族の心の支えにもなることがあります。故人への想いを込めた素晴らしい戒名を選び、故人を永遠に偲び続けることが大切です。